2018年 3月 16日 金曜日
コスト削減は良い事?悪い事?
毎年の確定申告も無事に完了しました。残務がありますので、来週まではバタバタしますが、いつも確定申告の打ち上げと称して、少しばかりご馳走を食べに行きます。今年は、友人が経営するしゃぶしゃぶ屋さんにしようかなと思っています。
さて、今日のお題は、「コスト削減」です。
利益を出すことが使命である企業ですから、利益を出すためには売上の増加とコスト削減は両軸で必要です。今日は少し見方をかえて、中長期的視野でコスト削減だけを考えてみたいと思います。
ある日、社長が「獲得した利益の範囲内になるよう経費をおさえよ!」と号令をかけたとします。財務部長は、経費の見直しを行い、無駄なものをカットしていきます。無駄使いをしない、させない。いいですね!いい感じでコストが削減されていきます。
けれども、思ったように売上が伸びなくなってきました。それでも社長命令だから、更にコスト削減をしようとします。光熱費も新電力に変えた。社用車の運行記録も厳格化した、切手の利用やコピーの枚数も部署ごとに記録させるようにした・・・・・・
などなど、やってきて、それでも売上が下がってきた。そこで、ついに人件費に手をつけ、まずはベースアップを止めて、賞与を減らした・・・・・
その結果、退職していく従業員が出てきた。退職はコスト削減という視点からしたら大きな効果がある。財務部長は内心では、これで利益が残る!自分の責任は果たしていると感じたが、何か違和感も残る・・・。
この企業は社長の号令から10年持ちませんでした。
コスト削減はやり過ぎはダメなんです。疲弊します。消耗戦なんですね。
そうそう、この現象を企業単位の話ではなく、国単位でみると、デフレスパイラルなんで呼んだりしますね。今の日本です。
企業でいう売上は、国でいうと税金です。税金の収入の範囲内で支出をおさえてね。なんて号令をかけたから、デフレになっちゃたんです。
逆です。税金の収入が減ってくるなら、公共投資をバンバンやって、国債もどんどん発行する!
きっと政府はそうしたいでしょうね。でも、一部の馬鹿なマスコミが国の借金だ!なんて騒ぐから、世論に配慮してプライマリーバランス黒字化なんて言っちゃったりする。
プライマリーバランス黒字化の制約がデフレの最大要因ということは、私みたいな一税理士でも分かること。国の偉い人はきっとみんな分かっている。
だいたいプライマリーバランス黒字化なんて言い出したのは、確か2010年。そのとき政権だったのは・・・。
話がズレてきたので、まとめますと、「コスト削減」は、企業にとって短期的には良い事だが、やり過ぎると長期的には悪い事となりますね。
やはり企業は、どこまで行っても売上増加、粗利の獲得なんです!そのためには銀行借入も積極的に行って無駄使いにならないように投資していくことが大切というお話でした。
投稿者 税理士法人久屋南税務会計事務所